児童養護施設出身大学生

よろしくお願いします。 いつもありがとうございます。

頑張る人に。疲れた人に。

とても久しぶりに記事を更新します。

なにかのきっかけになれたら嬉しいです。

 

いま、新型コロナ感染症(covid-19)の影響により、多くの人に疲れが出ています。私の周辺も例外ではなく、私が通う大学では、オンラインで講義を行っています。ロックダウンが続く国があったり、最低でも2週間の隔離生活、所得の低下により経済活動が落ち込むなど、様々な組織やシステムが変革を余儀なくされているような印象を受けます。

 

変化していくことを考えたとき、ふと、物理の授業を思い出しました。

 

物理では、物体の運動方向を変えるときの抵抗を、《慣性の法則》を通して考えます。慣性の法則を私なりに言い換えると、“現状維持”です。

その法則に当てはめて考えると、物体を動かすためには外側から働きかける力が必要です。そして実際に動くときは、現実世界であれば摩擦が生じます。変化には負荷が伴うということです。

 

まるで、いまの人々のようだなと思いました。

 

コロナショックとも呼べるような状況で、ルーティンの継続が難しくなり、非日常に対応しなければならず、経験したことのない出来事に直面し、各々の個人が抱えるストレスは相当なものになっていると考えられます。これまでの日常の維持が難しく、変化を要する。人間心理の観点から考えても、変化に対応する上で生じるストレス、そしてそのストレスがもたらす精神や生活への影響は少なくありません。

また、企業や業界によっては、今までのあり方を見直し、大幅な改革を実行する所もあるでしょう。

 

すでに負荷が生じています。

 

コロナが収束し、自粛が終わったとして、生活が元通りになる可能性はどのくらいでしょうか。

ストレスや不安から混乱が生じ、その中で生存していく道を掴むことは容易ではなく、ときに衝突もあるかもしれません。

その時を迎えたら、予想していた未来とは違ったという人が多いのではないでしょうか。

 

あえて言うのであれば、、

この混乱前の日常、“今まで通り”を目指した場合、もしかしたら、むしろ失うものが多いのではないかと思います。無いものをあったことにも、あった事を無かった事にもできません。人との関係を考えても、切れる関係もあれば、より深まる関係もあると思います。変化した後の世界で、なにも変化していない生活を望むことは難しいでしょう。

 

そう考えたときに私たちに必要なのは、『回復』ではなく『改革』であるような気がします。

 

これほど大きな出来事を世界中の人が共有したいまはむしろ、チャンスとも呼べるのではないでしょうか。積み上げてきたものがなくなった代わりに人の痛みがわかるようになった人は、決して弱くはないと思います。

 

もちろん、一週間先、半年後、二年後が見えず、家族はおろか、自分一人の身でさえ安全とは言えないのに。。という人も出てくるでしょう。

しかしそれもまた、揺れて変化していく人生の生き方だと思うのです。

 

人生には正解も不正解もないという意識を、頭のほんの片隅にでも置いたとき、少し心が軽くなるでしょう。

 

なにかを“失った”ということは必ずしも、“失敗した”ということでも“負けた”ということでもないのです。

“負け”とは、負ける相手とは、過去の自分以外にはいないのではないでしょうか。

 

私たちは、生まれてから死ぬまでの間に絶えずオリンピックに出場しているわけではありません。過去の偉人や、これから現れる天才と張り合うわけではなく、ただ自分と向き合い、自分が愛せる自分でいるだけです。そして、愛すると決めたものを愛し続けていくのみの人生です。人ってそんなに器用じゃありません。

 

そして、なにかを達成するよりも、人としての美しさを損なわずに生きることのほうが難しかったりします。奪うよりも、むしろ譲る人のほうが強く、そして美しく見えます。見えるだけではなく、きっとそうでしょう。

 

そんなことを言ったところで、生活が立ち行かなくなるということも、大切な人を失うという大きな悲しみを、避けられない人もいるでしょう。

 

癒えない傷もあり、会えない人がいることは、人生の中でも特に深い悲しみであり、痛みです。

 

『時が経てば』とはよく言いますが、時間は必ずしも、すべてを解決してくれるわけではありません。戻れない日も、掴めなかった未来も、解けない想いもあります。

 

私たちは、自分が生きた道を正解にしていくしかありません。

 

過ぎたことを追わずに新たなステージで頑張ったり、捨てられない過去があれば、それを持ちながら生きていくというのもまた、一つの生き方でしょう。

 

どうかご自身を大切にしてほしいと思います。

自分のことを好きになって、好きでいてください。

 

生命の維持ができても、心が死んでしまっては、どうにもなりませんから。

 

自分を大切にして、自分を大切にするように人も大切にできる人が、良い連鎖をつくっていきます。その連鎖を絶やさなければ、勝ち負けでははなく、打算でもなく、醜く争わない、健康的な人生を送ることができます。

そんな中に身を置くことができる環境がどうかあるように、ないなら、それをつくっていける人になれるように。

 

強くて優しい人が増えればいいなと思います。